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搭載例: TOMIX E129系

TOMIX E129系 (品番: 98474 / 98475 / 98476) にT-EA29ADP / T-EA30ADPM02Light-Nを搭載する場合の作例です。

この作例では室内灯形デコーダであるM02Light-Nシリーズを搭載するまでの一連の流れを説明しておりますが、T-EA29ADP / T-EA30ADPのみを使用し、他のDCCデコーダを使用される場合においても途中までの作業内容は同じとなりますのでこちらの手順をご確認ください。


用意するもの


動力車の加工

動力車は、もともと搭載されている基板をT-EA29ADPに交換し、デコーダとの配線を行えるようにします。

車両の分解

ボディを外し、動力ユニットを取り出します。

動力ユニットを分解し、基板を取り外せる状態にします。

もともと搭載されていた基板をT-EA29ADPの比較です。
スイッチ部分から配線を引き出せる構造としてあります。


配線の準備

T-EA29ADPを車両に取り付ける前に、配線を取り付けておきます。
まず、基板側に予備はんだを施しておきます。

今回の作例では、線路電源は室内灯側から供給するため、モーター、ファンクション関連と+12Vの端子のみ配線を取り付けます。

配線を取り付けました。
ボディへの取り付け後に判別できるように、あらかじめ色分けしておくことを推奨します。

この作例では、ポリウレタン電線に油性マジックで着色して判別できるようにしてあります。


基板の取り付け

配線をスイッチの穴から出すようにしながら、T-EA29ADPを椅子パーツに取り付けます。

裏面はモーターの位置にパッドが来るようになります。

T-EA29ADPの取り付けが終わったら、分解していた動力ユニットを元に組み直します。

他のデコーダを取り付ける場合は、ここまでで作業完了です。


室内灯デコーダの搭載

室内灯形デコーダ、M02Light-Nを搭載して走行とファンクション制御を行えるようにします。
動力車には、M02Light-N-C-F3RAを使用します。

長さの確認

デコーダ本体と延長基板を仮置きして、長さを確認します。
この作例では、延長基板を2マス分使用しました。

今回はニッパーで切りましたが、カッターなどでスジボリして折る方法で必要な長さに切ってもかまいません。
残った部分についてはトレーラー車側で使用できますので保管しておきます。

デコーダ本体と延長基板をはんだ付けし、接続します。

マスキングテープで両基板を固定するか、あるいはこの作例のようになんらかの部材で基板を挟み、中心が合うように固定してからはんだ付けするとうまく接続できます。

接続部には、抵抗やLEDの足、すずメッキ線、あるいは銅線や真鍮線などを使用して通電するようにします。

続いて、集電用バネをデコーダに取り付けます。
デコーダ本体にバネを取り付け、線路からの給電ができるようにします。

この作例では、TORM. TP-017を使用しています。

今回は動力車での使用となりますので、バネを3mm程度カットし、必要な長さにします。

長さが余計なまま取り付けると、取り付け時にバネが圧縮されて接触し、焼損の原因となることがあります。

デコーダ本体にバネを取り付けます。

あらかじめ真鍮製のネジが取り付けられているため、バネを時計回りに回しながら取り付けます。

そのまま取り付けると、デコーダの前の方が高さが合わずに沈み込みます。

そのため、プラ棒等でスペーサーを作り、両面テープで貼り付けて高さ調整をします。

この作例では、タミヤの2mmプラ棒を使用しています。

スペーサーを挟むと、正規の位置になります。

配線の接続

デコーダへの配線を接続する前に、ボディを当てがってどの部分に配線を隠せるか確認します。

この作例では、戸袋の位置に配線を通すことで目立たなくする方向で作業を行いました。

各配線は、下表のように接続しました。

端子名 T-EA29ADP側表記 デコーダ側表記
モーター右 MOTOR+ M+
モーター左 MOTOR- M-
12V 12V 12V
ヘッドライト H P1
テールライト T P2
方向幕 I P6

方向幕については、CV値を変更することで進行方向の影響を受けずに、かつ個別に制御できるようになります。

CV番号 元の値 新たな値 変更内容
40 65 5 F1前進 → F5
119 242 240 テール右 → エフェクトなし

トレーラー車の加工

トレーラー車(先頭車)は、もともと搭載されている基板をT-EA30ADPに交換し、デコーダとの配線を行えるようにします。

車両の分解

車両を分解し、床下を取り外します。

床下を分解し、基板が取り出せる状態にします。

左が今回搭載するT-EA30ADP、右が製品にもともと搭載されていた基板となります。


椅子パーツの加工

椅子パーツを加工し、T-EA30ADPからの配線を車内に通せるようにします。

ボディ側も確認し、戸袋に当たる位置に1mm程度の穴を開けました。

裏側から見た当該箇所です。


T-EA30ADPの搭載

T-EA30ADPに配線を接続し、椅子パーツに開けた穴に配線を通します。

動力車と同様に、各配線は色分けしておくと後の作業が簡単になります。

配線を穴に通したら、基板を交換前と同じ位置になるように設置し、配線を整えます。

配線を整えたら、床下を組み直していきます。

他のデコーダを取り付ける場合はここまでで作業終了です。


室内灯デコーダの搭載

室内灯形デコーダ、M02Light-Nを搭載してファンクション制御を行えるようにします。 トレーラー車には、F02Light-N-C-F3RAを使用します。

ディレクション逆転ジャンパの処理

室内灯デコーダに装備されているディレクション逆転ジャンパ(赤丸箇所)をはんだブリッジで接続しておくと、進行方向の設定が逆転できます。
この設定を行なっておくと、CV29で進行方向を逆転する必要がなくなりますので、初期状態で動力車とファンクションの関係性を合わせることができます。

延長基板のカットやスペーサーの取り付けについては、動力車と同様の加工を行なっておりますのでそちらも参照ください。

ファンクション配線を接続しました。

各配線は、下表のように接続してあります。

端子名 T-EA30ADP側表記 デコーダ側表記
12V 12V 12V
ヘッドライト H P1
テールライト T P2
方向幕 I P6

コンデンサの設置

オプションになりますが、先頭車はトイレの位置にコンデンサが隠せそうでしたので追加で設置しました。

コンデンサの足が長い方を12Vに、足が短い方をGNDに接続し、配線を整えて隠せる位置に設置しました。


動作確認

初期状態では、下記のファンクションとなっております。

ファンクション名 番号
ヘッドライト F0
テールライト F1
方向幕 F1
(テールライトと逆方向のみ点灯)
室内灯 F3

方向幕については、CV値を変更することで進行方向の影響を受けずに、かつ個別に制御できるようになります。

CV番号 元の値 新たな値 変更内容
40 65 5 F1前進 → F5
119 242 240 テール右 → エフェクトなし