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搭載例: TOMIX キハ55

TOMIX キハ55のトレーラー車 (品番: 98111 / 9462など) に、T-0630-B1-ADPM02Light-Nシリーズを搭載する場合の作例です。

この作例では室内灯型デコーダであるM02Light-Nシリーズを使用しておりますが、T-0630-B1-ADPのみを搭載し、他のDCCデコーダをご使用される場合においても、途中までの作業内容は同じとなりますのでこちらの手順をご確認ください。


用意するもの


T-0630-B1-ADPの搭載

もともと搭載されている基板をT-0630-B1-ADPに交換し、DCCデコーダへの配線を引き出します。

車両の分解

ボディを外して床下部分を取り外したら、台車のネジを外して基板が取り外せる状態にします。


LED・抵抗の取り付け

※T-0630-B1-ADP-Type2 (LED取り付け済み) をご使用の場合は、この作業は必要ありません。

T-0630-B1-ADPにLEDと抵抗を取り付けます。
左の写真と同じように取り付けてください。

LED・抵抗については下記の組み合わせとなります。

部品番号 仕様 使用した型番
D3 電球色LED 1608サイズ OSMW1608C1A
購入: 秋月電子通商
D2 赤色LED サイドビュー AA2810ASURSK
購入: Digikey
購入: Mouser
R1, R2 チップ抵抗1kΩ 3216 RMCF1206JT1K00
(添付品)

D2については、基板上の点線の位置に中心が合うように取り付けます。
また、D1については他の車両に搭載する際に使用するパッドであるため、この車両では使用しません。


配線の取り付け

基板上の各パッドにケーブルをはんだ付けして、デコーダに配線できるようにします。

今回の作例では、室内灯型デコーダM02Light-Nシリーズを搭載するため、ファンクションのみのケーブル接続となっております。
他のデコーダを積むなどの理由で必要な場合は、レール端子にもケーブルを接続してください。


配線を通す準備

今回はトレーラー車に搭載するため、そのままでは配線を引き出すことができません。
この作例では、車内の見えない場所に搭載するため、窓間隔が少し開いている場所から天井に向けて配線を引き出すようにします。

配線を取り出す穴は、おおよそ左写真の赤丸の位置に開けます。

表に印を付けましたが、裏側から開けたほうが作業性が良さそうですので、裏からφ1のドリルで穴を開けました。
配線が通せれば、更に細い径のドリルでもかまいません。

穴を開け終わると、左のようになりました。


干渉箇所の切除

ケーブルを配線する際に、モールドされているリブが一部邪魔になるため切除しました。

左写真、左下写真のように、リブを平らになるようにナイフなどで削り取ります。

テールライト用LED (D2) のはんだが一部盛り上がり干渉していたため、その部分も遮光に影響がないように慎重に削りました。


基板の組付け・床下の組み立て

加工した穴にケーブルを通しながら、基板を椅子パーツと床下機器パーツの間に挟み込み、組み立てていきます。

まずは組み立てる前に、ケーブルが変なところに入らないように、左写真のようにカプトンテープ等で固定しておくと作業がより簡単になります。

基板の配線を椅子パーツの穴に通し、所定の位置に設置します。

床下機器をはめ込み、台車をねじ止めして元に戻したら完成です。

なお、ケーブルを取り付けた側に隙間ができていたり、変なそりが出た場合は、はんだ付けした箇所やケーブルなどが干渉している場合があるため、現物合わせで削るなど、適宜調整を行ってください。


F02Light-N-A-F3RAの搭載

DCCデコーダとして、M02Light-Nシリーズのうち、3ファンクション、白色室内灯タイプのF02Light-N-A-F3RAを搭載します。

このデコーダを搭載することにより、ヘッドライトとテールライトの制御のほか、室内灯のオンオフが自由にできるようになります。

多段組み

デコーダ本体の準備

M02Light-Nシリーズは、搭載する車両に合わせて延長部分の基板を継ぎ足して必要な長さの室内灯として使うことができる構造となっております。

まず、車両の長さに合わせて、どの程度の長さを用意すれば良いかを現物合わせで確認します。

この作例では、3つ目のLEDのすぐ先でカットしました。
延長基板には切断の目安としてのラインが引いてありますが、LEDと抵抗の間を切り離さなければどのような箇所でも切断できるため、このように切り離しても問題なく使用できます。

※左写真は延長方法の説明のため、この車両用の長さではありません。

デコーダ本体と延長基板をはんだ付けして接続する際は、マスキングテープで両基板を固定するか、あるいは左のようになんらかの部材で基板を挟み、中心が合うように固定してからはんだ付けするとうまく接続できます。

接続部には、抵抗やLEDの足、すずメッキ線、あるいは銅線や真鍮線などを使用して通電するようにします。

デコーダ本体と延長基板の接続が完了したら、念のために車両に収めることができるか確認しておくと、もし長すぎた場合などに手戻りが少なく済みます。


室内灯の色味調整

オプション的な加工となりますが、チップLEDにフィルターを取り付けることで、色味を蛍光灯に近づけることができます。

この作例では、タミヤのt0.1プラペーパー (https://www.tamiya.com/japan/products/70208/index.html) に両面テープを貼り付け、LEDに対して直接貼れるようにした部材をフィルターとして使用しています。

この方法では、LEDに対していかに密着させるかがコツとなります。
LEDの両脇をピンセットで押さえたり、指先で押さえるなどして密着させます。

プラペーパーがLEDから離れていると、照明が暗くなるほか、色味が白色LED特有の若干青白い感じに戻ってしまいますので、効果がなくなってしまいます。


スペーサー・ばねの取り付け

純正品の室内灯を搭載するのと同じ要領でデコーダを搭載しますが、そのまま搭載しますと椅子パーツ側の室内灯の支えとの間に空間があるため、デコーダが少し垂れ下がってしまいます。

そのため、車両への搭載前に、2mmのプラ丸棒を使用してスペーサーを作成し、両面テープで取り付けています。

多段組み

デコーダ本体にバネを取り付け、線路からの給電ができるようにします。

この作例では、TORM. TP-017を使用しています。

デコーダ本体にバネを取り付けます。

あらかじめ真鍮製のネジが取り付けられているため、バネを時計回りに回しながら取り付けます。


車両へのデコーダ取り付け

純正品の室内灯を搭載するのと同じ要領でデコーダを搭載します。

この状態で通電すれば、室内灯はファンクション3ボタンでオンオフすることができます。

車両にデコーダを搭載したら、モーター出力とファンクション出力を接続します。
ヘッドライトはデコーダのP1端子に、テールライトはデコーダのP2端子に接続します。

この作例では、あらかじめ線材に着色しておいて配線ミスを防いでいます。

配線を完了したら、動作確認を行います。

ヘッドライトはファンクション0で、テールライトはファンクション1で操作できます。


搭載完了

問題なく動作したら、ボディを元に戻して完成となります。

今回の作例では、デフォルトでは下記表のファンクション割り当てとなっております。

ファンクション内容 ボタン 備考
ヘッドライト F0 前進のみ
(Revジャンパ時は後進)
テールライト F1 後進のみ
(Revジャンパ時は前進)
室内灯 F3
入れ替えモード F7 ヘッド/テール同時点灯

T-0630-B1-ADPからデコーダへの配線も、ほとんど目立たないようになりました。