目次

搭載例: TOMIX クハ103

TOMIX クハ103 (品番/品名: 97935 103系 JR西日本仕様・混成編成・ウグイス) に、M02Light-NシリーズT-EA23ADPシリーズを搭載する場合の作例です。

この作例では、ヘッドライトとテールライト、方向幕を個別に操作できるようにするため、あえてT-EA23ADPシリーズを使用しておりますが、T0566ADPを使用すれば車両側のプリズムを加工せずにそのまま置き換えられます。


用意するもの


ライト基板の交換・デコーダへの配線準備

まず、もともと製品に搭載されている基板をT-EA23ADP Type-C (頒布予定) または T0566ADP に交換します。
交換後、配線を通してデコーダを車内に搭載する準備を行います。

床板の分解

車両の床下をテールライトレンズを折らないように外し、台車のネジを外して分解します。

もともと搭載されていた基板を外します。 T-EA23ADP (左) または T0566ADP (中央) のどちらかに交換し、デコーダへの配線を簡単にできるようにします。

T-EA23ADPをはめ込んだところです。
純正基板やT0566ADPとは形状が異なり、ちょうど穴の部分をふさぐようになります。

もともとの構造では、この穴に方向幕のプリズムが貫通し、前進後進どちらの光源からでも光るようになっていますが、T-EA23ADPを使用した場合は方向幕専用のLEDを追加で用意して光らせる形となります。

T-EA23ADPを使用する場合、床板側に取り付けられているプリズムが干渉するのと、テールライトのみの点灯には無くても影響が無いため、取り外してしまいます。


運転台側プリズムの加工

次に、ボディ側に組付けられている運転台パーツに組み込まれているプリズムを加工していきます。

※T0566ADPシリーズを使用した場合、この工程は不要ですので飛ばしてください。

赤丸で囲んだ箇所のプリズムが、基板および基板に実装されているLEDに干渉するため、切断して短くします。

左のような感じで短くします。

内側に入っているプリズムは、運転台パーツを分解して取り出してからカットします。


配線の取り付け

ライト基板に配線を取り付け、車内側に配線を引き込めるようにしてDCCデコーダに配線ができるように加工していきます。

まず、床板パーツに穴をあけ、配線を引き出せるようにします。
どの場所がボディ側の壁の位置になるかを確かめながら穴を開けると、車内を覗いても目立たないように加工できます。

ライト基板に配線を行います。

配線を行う際は、色が付いているポリウレタン電線を使用するか、配線を取り付け後に油性マジックペンなどで色分けしておくことを推奨します。

T-EA23ADPを使用した作例では、各線の接続場所・ファンクション内容は下記となります。

基板の接続先名 ファンクション内容
F1 (表面) ヘッドライト
F2 (表面) 方向幕
REV (裏面) テールライト
+12V (裏面) コモン線 / +12V電源

「FOR」のパッドについては部品を配置していないため、配線なしで問題ありません。

T0566ADPを使用する場合、各線の接続場所・ファンクション内容は下記となります。

基板の接続先名 ファンクション内容
FOR (裏面) ヘッドライト
方向幕
REV (裏面) テールライト
方向幕
+12V (裏面) コモン線 / +12V電源

配線のはんだ付けが完了したら、椅子パーツの穴に線を通しながら基板を取り付けていきます。

念のため、カプトンテープ等で配線部分を絶縁し、ウエイト(通電部)に当たらないようにしておいたほうが安心です。

配線を通し終えたら、床下を組み立てなおします。


DCCデコーダの搭載・配線作業

長さの調整・スペーサーの準備

室内灯型デコーダを車両に搭載する前に、延長基板を接続して必要な長さにすると同時に、垂れ下がってこないようにスペーサーを作成します。

まずは、車両にデコーダ本体と延長基板を当てて、どの程度の長さが必要であるか確認します。

今回は、左の写真の位置(LED 3個分)で延長基板を切断して使用しました。

切断場所については、抵抗とLEDの隙間で切り離さなければ問題ありませんので、このように線から外れた場所であっても問題なく使用できます。

切断・接続を行ったらどのような具合であるか確認を行うと良いでしょう。


室内灯の色味調整

オプション的な加工となりますが、チップLEDにフィルターを取り付けることで、色味を蛍光灯に近づけることができます。

この作例では、タミヤのt0.1プラペーパー (https://www.tamiya.com/japan/products/70208/index.html) に両面テープを貼り付け、LEDに対して直接貼れるようにした部材をフィルターとして使用しています。

この方法では、LEDに対していかに密着させるかがコツとなります。
LEDの両脇をピンセットで押さえたり、指先で押さえるなどして密着させます。

プラペーパーがLEDから離れていると、照明が暗くなるほか、色味が白色LED特有の若干青白い感じに戻ってしまいますので、効果がなくなってしまいます。


スペーサー・ばねの取り付け

デコーダ本体にバネを取り付け、線路からの給電ができるようにします。

この作例では、TORM. TP-017を使用しています。

純正品の室内灯を搭載するのと同じ要領でデコーダを搭載しますが、そのまま搭載しますと椅子パーツ側の室内灯の支えとの間に空間があるため、デコーダが少し垂れ下がってしまいます。

そのため、車両への搭載前に、2mmのプラ丸棒を使用してスペーサーを作成し、両面テープで取り付けています。


搭載・配線作業

車両へのデコーダ取り付け

純正品の室内灯を搭載するのと同じ要領でデコーダを搭載します。

この状態で通電すれば、室内灯はファンクション3ボタンでオンオフすることができます。

ライト基板からの配線接続

配線を接続し、デコーダからライトユニットを操作できるようにします。

T-EA23ADPを使用した場合、T-EA23ADP側の表記とM02Light-N側の表記の対応関係は下記となります。

T-EA23ADP
基板表記
M02Light-N
基板表記
内容
F1 P1 ヘッドライト
REV P2 テールライト
F2 P6 方向幕 (要CV変更)

T0566ADPを使用した場合、T0566ADP側の表記とM02Light-N側の表記は下記のように対応します。

T0566ADP
基板表記
M02Light-N
基板表記
内容
FOR P1 ヘッドライト
REV P2 テールライト

ヘッドライト・方向幕間の遮光

このまま搭載すると、ヘッドライトと方向幕の間の遮光が不十分なため、どちらかの光が漏れてもう片方が薄く光ってしまうことがあります。

そのため、この作例ではφ1.0mmのプラ棒を黒マジックペンで塗装し、ヘッドライトと方向幕のプリズムの間に両面テープで取り付けるという簡単な加工で遮光を行っています。


搭載完了・動作確認

念のため、ボディを戻す前に一度線路上に置き、室内灯がF3でオンオフできるか確認します。
問題がなければ、ボディ・運転台パーツを元に戻して完成となります。

今回の作例では、デフォルトでは下記表のファンクション割り当てとなっております。

ファンクション内容 ボタン 備考
ヘッドライト F0 前進のみ
(Revジャンパ時は後進のみ)
テールライト F1 後進のみ
(Revジャンパ時は前進のみ)
方向幕 F1 後進のみ
(Revジャンパ時は前進のみ)
室内灯 F3

方向幕を別途制御する場合、下記CV値を変更してください。

CV番号 出荷時の値 変更後の値 内容
40 65 5 P6の動作を、F1/後進のみ から F5 (進行方向にかかわらず動作) に変更
119 242 244 または 245 P6のエフェクトを、テールライトから蛍光灯に変更

この書き換えにより、方向幕はF5で操作できるようになります。
F5以外のボタンで操作したい場合は、CV40を使用したいファンクション番号 (例: F8で操作したければCV40に8を書き込む) に変えてください。


動作時の様子


ヘッドライト・方向幕点灯


テールライト・方向幕点灯


方向幕のみ点灯


ヘッドライトのみ点灯・方向幕は消灯