ファンクション専用デコーダでのCV値読み出し
DCCデコーダのCV値をプログラム線路で読み出す場合、デコーダ側はコマンドステーションに対し、消費電流の増加という形で応答を返します。
モーター車両用のデコーダで、正常にモーターが動くように搭載されている車両でCV値の読出しを行うと、ほんの一瞬だけモーターが動こうとして「ジー」といった音や、微動するのはこのためです。
CV値読み出し時の動作イメージを簡略化すると、おおよそこのようなイメージになります。
この図では、CV値の値を順番に確認していく、PageモードやDirectモードのバイト読み出し手法で書いておりますが、DirectモードのBit単位読み出しも基本的な考え方は同じです。
この図にある、応答時にモーターやライトに通電して消費電流を増加させる手法については、NMRAの規格では約60mAの消費電流で応答を返したとみなす仕組みになっています。
ほとんどの動力車はこの条件を満たし、正常にCV値の読み出しができる状態になります。
ただし、一部のコマンドステーションでは、60mA以下でもデコーダの応答として検知する機種もありますので、この条件を満たさなくても読み出しができる場合があります。
弊サークルで頒布してデコーダ各種のうち、ファンクション用として頒布している機種については、モーター駆動用の回路を搭載しておりませんので、仮にLEDをすべて搭載しても、60mAまでの消費電流を確保することができません。
該当する機種
これらの機種では、CV値は書き込み専用で用いるか、あるいはどうしても読み出しの機能が必要であれば、P7 (室内灯端子) と+12V端子の間に200Ω程度の抵抗器を接続し、CV読み出し時の応答専用で使用する手法があります。
P7端子に抵抗器を接続する場合は、通常運転中の不意の操作による抵抗器の発熱、およびそれに伴うボディの溶損を防ぐため、下記CV値の変更を強く推奨します。
CV番号 | デフォルト値 | 変更後の値 | 機能 |
---|---|---|---|
41 | 3 | 30 | Func7 (P7) ファンクション番号・ディレクション設定 F3 → 無効 |
50 | 255 | 191 | アナログ走行時のファンクション動作 P7有効 → P7無効 (Bit6 = 0) |